「疲れると甘いものが欲しくなる」

「仕事の合間にチョコレートや飴を口にしてしまう」

疲れたときに甘いものに手が伸びるイメージ

「甘いコーヒーやカフェオレを、つい何度も飲んでしまう」

甘い飲み物や飴と虫歯リスクのイメージ

このようなことはありませんか?

現代の日本では、仕事、人間関係、物価高、将来への不安など、さまざまなストレスを抱えながら生活している方が少なくありません。

そのため、手軽に気分転換できる「甘いもの」に頼りやすくなっている方も多いように感じます。

甘いものは、コンビニやスーパーですぐに買えて、それほど高価でもありません。

そう考えると、砂糖を含む食品は現代人にとって、「安価で身近なストレス解消法」になっている面があるのかもしれません。

少し強い表現を使えば、砂糖は私たちの生活の中で“ドラッグのような存在”になってしまうことがあります。

もちろん、砂糖そのものを麻薬やアルコールのような依存性薬物と同じ意味で考えることはできませんし、「砂糖中毒」という正式な病名があるわけでもありません。

ただし歯科医師の立場から見ると、問題なのは「甘いものが好き」ということそのものではありません。

ストレスを感じるたびに、何度も糖分を口にする習慣

これが、虫歯の大きな原因になることがあります。

ストレスが、甘いものをやめにくくすることがあります

疲れたとき、忙しいとき、イライラしたとき。

私たちは無意識のうちに、

「何か甘いものが欲しい」

と思うことがあります。

  • 仕事の合間のチョコレート
  • 運転中の飴
  • 午後の甘い缶コーヒー
  • コンビニで買うスイーツ
  • 夜のデザート

こうしたものは、一瞬気持ちを和らげてくれます。

ストレスを感じる

甘いものを口にする

少し気分が楽になる

また疲れる・ストレスを感じる

また甘いものが欲しくなる

この流れを繰り返しているうちに、本人も気づかないまま糖分を口にする回数が増えてしまうことがあります。

【ここに「疲れた午後のデスクと甘い誘惑」のイラストを挿入】

疲れたとき、つい甘いものに手が伸びてしまうことはありませんか?

虫歯で本当に問題なのは「量」だけではありません

虫歯というと、

「甘いものをたくさん食べると虫歯になる」

というイメージを持っている方が多いと思います。

もちろん、砂糖の量も重要です。

しかし、虫歯予防ではそれと同じくらい、あるいはそれ以上に意識していただきたいことがあります。

それが「糖分を口にする回数」です。

お口の中の細菌は、糖分を利用して酸を作ります。

その酸によって歯の表面からカルシウムなどのミネラルが溶け出すことを「脱灰」といいます。

その後、唾液の働きによってお口の中が中和されると、歯を修復する「再石灰化」が起こります。

脱灰 → 再石灰化 → 脱灰 → 再石灰化

つまり私たちの歯は、毎日「溶ける・修復する」を繰り返しています。

ところが、

  • 飴を長時間なめる
  • 甘い飲み物を少しずつ飲み続ける
  • 間食を一日に何度もする

という生活では、歯が再石灰化するための時間が十分に取れません。

脱灰 > 再石灰化

この状態が続くと、虫歯になりやすくなります。

特に注意したいのは「飴」と「甘い飲み物」です

甘いものの中でも、特に気をつけたいのが次のようなものです。

  • キャラメル
  • グミ
  • 甘い缶コーヒー
  • カフェオレ
  • 清涼飲料水
  • スポーツドリンク
  • 砂糖入りの紅茶やジュース

特には、少量でも長い時間お口の中にあります。

つまり、歯が糖分にさらされる時間も長くなります。

甘い缶コーヒーやカフェオレを、30分、1時間とかけて少しずつ飲み続ける習慣も同じです。

「私はお菓子をそんなに食べていません」

という方でも、詳しく聞いてみると、

  • 甘いコーヒーを毎日飲んでいる
  • 机の上にいつも飴を置いている
  • 疲れるたびにチョコレートを一粒食べる

ということがあります。

虫歯にとって問題なのは
「少しずつ、何度も」です。

【ここに「甘い飲み物・飴・虫歯リスク」のイラストを挿入】

甘いものを口にする回数が多いほど、歯が酸にさらされる時間も長くなります。

「だらだら食べ」が虫歯を作ります

虫歯予防で大切なのは、甘いものを完全に禁止することではありません。

だらだら食べない。
だらだら飲まない。

これがとても重要です。

例えば、同じ量のケーキを食べるとしても、食後にまとめて食べる場合と、一日かけて少しずつ食べる場合では、歯への影響は同じではありません。

○ 食後にまとめて食べる

糖分を口にする回数を抑えやすくなります。
△ 午前10時に一口 → 午後2時に一口 → 午後4時に一口 → 夜にまた一口

お口の中が何度も酸性になり、歯が回復する時間が少なくなります。

飲み物も同じです。

甘い飲み物を長時間ちびちび飲む習慣は、虫歯予防という点では注意が必要です。

「ちゃんと磨いているのに虫歯になる」方へ

診療をしていると、

「毎日ちゃんと歯を磨いているのに、また虫歯になりました」

という患者さんがいらっしゃいます。

もちろん歯磨きは非常に大切です。

しかし、虫歯は歯磨きだけで決まる病気ではありません。

虫歯予防には
  • 歯磨き
  • フッ化物
  • 食生活
  • 唾液の働き
  • 定期的な歯科医院でのチェック
これらを総合的に考えることが大切です。

きちんと磨いているのに虫歯を繰り返す方は、歯ブラシの当て方だけでなく、

「一日に何回、糖分を口にしているだろう?」

という視点でも生活を振り返ってみてください。

甘いものを完全にやめる必要はありません

ここまで読むと、

「もう甘いものは一切食べてはいけないの?」

と思うかもしれません。

でも、そこまで極端に考える必要はありません。

大切なのは「食べるか、食べないか」ではなく、「どう食べるか」です。

例えば、次のようなことを意識してみてください。

  • 甘いものはできるだけ食後に食べる
  • おやつの時間を決める
  • 飴を一日中なめない
  • 甘い飲み物を少しずつ飲み続けない
  • 普段の水分補給は水やお茶を基本にする
  • 寝る前の甘いものを控える

こうした小さな変更でも、お口の中が糖分にさらされる回数を減らすことができます。

ストレス解消が「甘いものだけ」になっていませんか?

私は、このテーマでここが非常に大切だと思っています。

虫歯を繰り返す方の中には、単に甘いものが好きというだけではなく、

ストレス解消の手段が
「甘いもの」に偏っている

という方もいらっしゃいます。

疲れたら甘いコーヒー。

イライラしたら飴。

仕事を頑張った自分へのご褒美にスイーツ。

こうした行動は、気持ちの面ではとてもよく分かります。

しかし、それが毎日の習慣になれば、歯には少しずつ負担が積み重なっていきます。

虫歯予防を考えるとき、単に

「もっとしっかり磨きましょう」

だけではなく、

「なぜ甘いものを食べたくなるのか?」
「ストレス解消が甘いものだけになっていないか?」

というところまで、一度振り返ってみることも大切です。

砂糖を敵にするのではなく、上手につき合いましょう

「砂糖中毒」という言葉は少し強い表現です。

しかし、ストレスの多い現代社会では、甘いものが手軽な気分転換になり、その結果として糖分を口にする回数が増えてしまうことがあります。

そして歯科の立場から見ると、その「回数」が虫歯リスクを高める大きな要因になります。

特に気をつけたい習慣
  • 飴を長時間なめる
  • 甘い飲み物をだらだら飲む
  • 一日に何度も間食する
  • ストレスを感じるたびに甘いものを口にする

甘いものを完全にゼロにする必要はありません。

だらだら食べない。
だらだら飲まない。
食べる時間を決める。

まずは、この3つから始めてみてください。

「きちんと磨いているのに虫歯を繰り返す」

「疲れると甘いものがやめられない」

「甘い飲み物や飴の習慣が気になる」

そんな方は、一度ご自身の食べ方・飲み方・生活習慣を見直してみることをおすすめします。

虫歯は、単に歯だけの問題ではなく、生活習慣の一部が現れていることもあります。

気になる方は、ぜひ歯科医院でご相談ください。


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